ココロだより(2022年夏号)/社会生活スキルズトレーニングについて
藤原 恭子
SST(社会生活スキルズトレーニング)は、聞きなれた言葉になってきました。病院、学校、作業所など色々なところで取り入れられているように思います。当院でも平成9年からSST室を開設し、精神科病院としては先駆けとして色々な職種が連携しながら取り組んできました。
SSTとは「精神障害を持つ人達が社会の中で受けるストレスに対応していく力をつけ、地域社会、病棟での生活をしやすくなるための心理社会的なリハビリテーションの1つ」とされています。「生活しやすくなるための工夫」、「人づきあいのコツ」、「自分にあった薬に出会うために」、「病気とつきあっていくために」等をテーマとして行っています。患者様の話を聞きながらどういうところに難しさを感じているのか、どのあたりに戸惑っているのかを知り、テーマに取り上げてきました。また周りのスタッフに患者様の普段の様子を聞いてテーマを提案してもらうこともあります。
知識の吸収だけでなくロールプレイを行ない、実際の場面設定をしながら行うとより具体的に楽しみながら取り入れることができるように思います。SSTの流れとしては、ウォーミングアップで頭の体操、ストレッチ、季節の話、レクレーション等を行ないます。休憩を挟み、セッションではひとつのテーマを完結するよう組み立てます。繰り返し行うテーマもありますが、焦らず、ゆっくり、患者様の力を引き出したり、本来の力を維持できるような関わりをして自分なりの効果的な動きや気づきを見つけることができることが大切だと感じています。